第2回 アマニフォーラムセミナーレポ―ト

高齢者の栄養管理~サルコペニア・フレイル対策~について

アマニフォーラム実行委員会(後援:一般社団法人日本アマニ協会/協賛:日本製粉)は2017年9月27日(水) 日経カンファレンスルーム(東京都千代田区)にて、「第2回アマニフォーラムセミナー「高齢者の栄養管理~サルコペニア・フレイル対策~」について」を開催しました。同フォーラムは、全4回のシリーズでの開催を予定しており、今回はその第二回目にあたります。

【はじめに】

団塊世代が65歳を超え4人に1人が高齢者となった日本では、健康への関心が非常に高くなっています。ちまたでは健康に関する情報が飛び交い、さまざまな健康食品が紹介されている一方、価格競争に拍車がかかり結果的に味や品質などが保証できない商品が出回り、生活者にとってメリットが少ないばかりか何が正しいのかさえわからない状況が繰り返されています。

 

アマニフォーラム実行委員会は生活者に優しい社会の実現を目指し、健康寿命を延ばしQOL(生活の質)を向上すべく、正しい知識や情報を生活者に伝えるサポートをしたいと考えアマニフォーラムセミナーを開催することにいたしました。年4回のセミナーを通し、企業の取り組みや医療現場における栄養情報の提供のあり方、そして予防医学にも役立つ安全な食品など、エビデンスに基づいた正しい情報を提供してまいります。

 

 

千葉大学名誉教授 齋藤康氏

今回のプログラムは三部で構成され、千葉大学名誉教授 齋藤康氏の挨拶の後、4名の登壇者を迎えて講演を行いました。

【登壇者】

齋藤康氏 (千葉大学名誉教授・アマニフォーラム実行委員会座長)

渡辺啓子氏(公立学校共済組合 九州中央病院 医療技術部栄養管理科総括)

葛谷雅文氏(名古屋大学未来社会創造機構 教授名古屋大学大学院医学系研究科地域在宅医療学・老年科学分野(老年内科)教授)

川口康平氏(日本製粉株式会社)

山内優輝氏(日本製粉株式会社)

【内容】

渡辺 啓子先生

第一部は、公立学校共済組合 九州中央病院 医療技術部栄養管理科総括 渡辺 啓子 氏

が登壇し、これまで長年にわたって病院で患者の栄養管理を行ってきたご経験を踏まえ、高齢者特有の疾患や栄養状態の特徴や、低栄養と摂食嚥下機能低下の予防につながる栄養管理のあり方、さらには地域包括ケアシステムの一翼を担う病院での取り組について数多くの具体例を交えてお話いただきました。

 

 

 

葛谷 雅文先生第二部は、名古屋大学大学院 医学系研究科 総合医学専攻・名古屋大学 未来社会創造機構 教授 葛谷 雅文 氏による、「高齢者の栄養管理~サルコペニア・フレイル対策~」と題した講演で、高齢者医療に携わるご経験を踏まえ、昨今話題に上る機会が多くなったサルコペニアやフレイルというものの実情とその対策について、栄養摂取という視点を取り入れたお話をしていただきました。

 

 

 

第三部の前半は、日本製粉株式会社の川口康平氏から、アマニの基本情報とアマニに豊富に含まれている α-リノレン酸、食物繊維、リグナンという3つの健康成分について解説していただきました。またアマニを使った料理や、1日にどれぐらいのアマニを摂取したらいいかの目安になる摂取基準についてもご紹介いただきました。

 

 

 

 

 

第三部の後半は日本製粉株式会社の山内優輝氏から、ロコモティブシンドロームの予防や緩和への効果が期待されているオリーブ果実エキスの、さまざまな健康効果について、臨床研究のデータを交えながら紹介していただきました。

 

 

 

 

 

 

すべての講演終了後に質疑応答が行われ、サプリメントの使い方、高齢者の軟食による食事量の工夫、高齢者の運動方法、高齢者の高タンパクメニューのおススメ食品や肉以外での摂取についてなどの質問が寄せられ、齋藤氏、渡辺氏、葛谷氏が回答し、約4時間にわたるフォーラムセミナーが終了しました。

 

 

【あとがき】

第2回目を迎えたアマニフォーラムセミナーでは医療に携わる専門家の立場から高齢者の低栄養とサルコペニア・フレイルの問題に着目した講演が行われました。高齢者が置かれる実情を踏まえ、地域での包括的な取り組みやライフステージの推移にあわせたケアの考え方など健康長寿を実現するために必要な方策が示されました。

いまだかつてない超高齢化社会を迎えつつある日本では、健康寿命を延伸しQOL(生活の質)を向上させることを目指し、質の高い栄養管理に関する知識普及の重要性が非常に高まっています。今後もアマニフォーラムではエビデンスに基づいた有益な情報を提供してまいります。