リグナンを多く含む食材(ポリフェノールの一種)

リグナンを多く含む食材

リグナンはポリフェノールの一種であり、高い抗酸化力や抗炎症作用などがあります。また、体内で腸内細菌によりエストロゲンに代謝され、性ホルモンにはたらきかける効果があるといわれています。

今回は、そんなリグナンを多く含む食材について見ていきましょう。

アマニはリグナンの含有量がトップクラス!

数あるリグナンの中で、ピノレジノール・ラリシレジノール・セコイソラリシレジノール・マタイレジノールの4種類のリグナンについて食材別に含有量を調査したデータがあります。

食品名 リグナン含有量(μg/100g)
PINO LARI SECO MATA 4種合計
種子類 アマ 3,324 3,041 294,210 553 301,129
ゴマ 29,331 9,470 66 481 39,348
ヒマワリ 167 671 53 0 891
野菜 カーリーケール 1,691 599 19 12 2,321
ブロッコリー 315 972 38 0 1,325
キャベツ 568 212 8 0 787
ニンニク 200 286 50 0 536
果物 アンズ 314 105 31 0 450
イチゴ 212 117 5 0 334
飲料 赤ワイン(南アフリカ産) 6.3 15.9 61.3 7.8 91.3
紅茶(セイロン) 40.6 30.4 5 1.1 77.1
コーヒー(Albert Heijn) 1.5 13.1 16.1 0.7 31.3

(畑直樹・岡澤敦司・小林昭雄「食品中リグナンの摂取と機能」『AgriKnowledge』pp.651-653をもとに作成)

この一覧から、アマのリグナン含有量がほかの食材を大きく引き離して突出していることがわかります。野菜では、Brassica属と呼ばれるキャベツ類・ブロッコリー類などが最もリグナン含有量が多くなっています。

また、どの食材も総じてピノレジノール・ラリシレジノールを比較的多く含んでいるのが大きな特徴です。

含有量と実際の供給源は異なる

オランダで1997年・1998年の全国食物消費調査に基づいて19歳以上の4,660名を対象に実施したリグナン摂取量の調査では、以下のようなデータが得られました。

利用者の割合(%) リグナン摂取量に対する寄与率(%)
飲料 100 37.1
69.4 19.2
コーヒー 89.1 11
野菜 93.5 24.2
Brassica属 34.8 15.5
堅果・種子 34.6 13.7
アマ 0.6 9.5
ゴマ 2.9 2.8
パン 98.8 9
果物 75.3 6.6

(前掲論文 pp.654より作成)

リグナンの摂取量に対する寄与率は、リグナンの供給源とイコールであると考えられます。すると、アマやゴマがリグナンの含有量ではトップクラスを誇るものの、必ずしもアマやゴマがリグナンの一番の供給源とはなっていないことがわかります。つまり、このデータから、アマやゴマの摂取量がほかの食品に比べて少ないことが推察されるのです。

確かに、アマやゴマは食卓の主役になることが難しく、摂取量を増やすことは容易ではないかもしれません。しかし、リグナンはさまざまなからだの不調や肥満の予防などに役立つため、アマやゴマを積極的に食事に取り入れて効率よく摂取できる方法を考えてみてはいかがでしょうか。