リグナンの健康効果
リグナンは高い抗酸化力と抗炎症作用、性ホルモンへの作用が期待できる注目の健康成分です。では、リグナンは具体的にどのような健康効果があるのか、見ていきましょう。
悪玉コレステロール減少効果
アマニリグナンの主成分であるSDGは体内に入り、腸内細菌によりセコイソラリシレジノール 、エンテロジオール、エンテロラクトンといった化合物に変わります。これらが体内の総コレステロールやLDL(悪玉)コレステロールを減らして、HDL(善玉)コレステロールを増やすはたらきをします。
2010年に総コレステロール値の高い成人男性を対象に行われた調査によると、12週間アマニリグナンを100mg摂取したグループは、総コレステロール値とLDLコレステロール値がマイナス15mg/dL前後下がりました。(※1)
また、リグナンには血中の脂質代謝を改善して中性脂肪を減らす作用もあります。これらの相乗効果により、動脈硬化などの心血管疾患を予防できるという科学的データが発表されています。
骨を維持する効果
女性は年齢を重ねると骨粗しょう症になりやすいと言われますが、それは閉経後にエストロゲンの分泌が急速に低下することが原因です。
リグナンは女性の閉経後、体内で弱いエストロゲンとして作用しますが、このエストロゲンは骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ役割を担っていることが知られています。
ある実験で、卵巣を摘出したマウスをエストロゲン投与群とアマニリグナン投与群・無投与群の3グループに分け、5週間肥育しました。その後大腿骨の重量を計ったところ、エストロゲン投与群には及ばないものの、アマニリグナン投与群にも大腿骨の重量減少を抑制する効果が見られました。(※2)
リグナンを体内に取り入れることで、リグナンがエストロゲンとして作用してカルシウムの流出を防ぐため、骨粗しょう症の予防につながるという理論が提唱されています。
がんのリスク軽減
また、リグナンを用いた実験からは、抗腫瘍作用や抗がん作用が確認されていることも明らかになっています。特に、リグナンにはがん細胞の増殖や転移の抑制に効果を発揮するという作用メカニズムがあることがわかってきました。
発がん性物質を投与したラットにアマニリグナンの主成分であるSDGを与えたところ、腫瘍の数が37%減少しました。また、ER-ヒト乳がん細胞を移植したマウスにSDGを与えると、肺やリンパ節へのがんの転移が阻害される研究結果も得られています。(※3)
以上のように、アマニリグナンの成分には生活習慣やホルモンバランスに由来するさまざまな健康トラブルにお悩みの方にとって、とてもうれしい効果があることがわかりました。いつまでも健康を維持するためにも、アマニリグナンを積極的に摂っていきましょう。
(※1)株式会社ニップン「アマニ」
(※2)サントリー株式会社「亜麻(あま)リグナンの更年期障害抑制効果に関して研究成果を日本更年期医学会で発表 -更年期の女性を悩ませる「ほてり」を軽減し、骨粗鬆症の予防に効果-」
(※3)ダイアン・H・モーリス「アマニ その健康と栄養 第4版」pp.61