食物繊維を多く含む食品
食物繊維はヒトの消化酵素では消化されない難消化性成分です。 水に溶けやすくネバネバした特徴を持つ水溶性食物繊維と、繊維質で水に溶けにくい不溶性食物繊維の2種類があります。
食品中の水分と食物繊維について
一般的に「食物繊維が多い」といわれている食品といえばごぼうなどの根菜類、わかめなどの海藻類、しいたけのようなきのこ類があります。ただし、そういった食品は水分を多く保持する構造を持っており、「水分を含めた重量」あたりの食物繊維量はそこまで多くならない場合があります。
日本食品標準成分表 2015年版七訂に記載された食品の中で、最も食物繊維を多く含むのは「乾燥きくらげ」です。しかし実際に食べる場合は水で戻しますので、実際に食べる際の食物繊維量は大きく減少します。きくらげの食物繊維量は100gあたり80gですが、戻し率(=水で戻した際の重さ)は一般的に7倍といわれていますので、実際に食べる際には約10gになるということです。
このように、食物繊維量を比較する場合は「そのまま食べられる形」での比較が重要となります。
水溶性食物繊維 含有量
順位 | 食品名 | 成分量 g/100g |
---|---|---|
1 | こんにゃく/精粉 | 73.3 |
2 | しろきくらげ/乾 | 19.3 |
3 | らっきょう | 18.6 |
4 | ケール | 12.8 |
5 | わらび | 10.0 |
6 | アマニ/いり | 9.1 |
(文部科学省食品成分データベースより)
水溶性食物繊維の含有量
水溶性食物繊維が最も多いのはこんにゃくの精粉(精製したこんにゃく芋の乾燥粉末)です。青汁の原料としてよく使われるケール粉末や、らっきょうやかんぴょうなどの野菜、海藻類にも比較的多く含まれています。「アマニ/いり」は6番目に水溶性食物繊維が多い食品です。
しかし「アマニ/いり」以外の表中の食品は水で戻して食べる必要があるため、「そのまま食べられる形」で比較した場合、「アマニ/いり」が最も多く水溶性食物繊維を含む食品となります。
不溶性食物繊維 含有量
順位 | 食品名 | 成分量 g/100g |
---|---|---|
1 | あらげきくらげ/乾 | 73.1 |
10 | 玉露/茶 | 38.9 |
25 | ひよこまめ/全粒,フライ,味付け | 19.9 |
32 | だいず/いり大豆 | 17.1 |
42 | 切り干し大根/乾 | 16.1 |
55 | アマニ/いり | 14.7 |
(文部科学省食品成分データベースより)
不溶性食物繊維の含有量
不溶性食物繊維を多く食品のトップはきくらげですが、こちらも水で戻す必要があります。そのまま食べられる食品の中で最も多いのはひよこまめ(フライ)の約20gです。アマニも約15gと、非常に多い不溶性食物繊維を含んでいます。
アマニには両方の食物繊維が含まれている
アマニの特徴として、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が1:2の割合で両方とも含まれていることです。不溶性食物繊維を含む食品には、きのこ類や豆類、野菜など普段の食生活で取り入れやすいものが多くありますが、水溶性食物繊維は意識しないとなかなか摂取が難しいかもしれません。アマニは主菜ではなく、一度にたくさん食べるものではありませんが、そのまま食べられる食品の中では水溶性食物繊維の含有量が最も多いのも事実。 アマニ粒や粉末を料理に活用して、こまめに、 積極的に摂っていきましょう。