アマニの素晴らしい栄養成分
これまで日本ではアマニはあまり馴染みがなく、パンや焼き菓子に入れる程度でした。近年欧米でアマニはその栄養や健康効果が「スーパーフード」として高く評価されており、徐々に日本でも注目を集めるようになってきました。
アマニには健康維持をサポートする重要な3つの主要成分が含まれています。
アマニの主要な栄養成分 3つ
アマはアマ科の一年草で、茎が細く、夏に1.5センチ程度の青紫色か白色の花を咲かせます。茎の繊維からは麻布(リネン、リンネル)という布地が作られており、肌触りが良く吸水性や通気性に優れているため、夏用の衣服によく用いられています。
種は黄褐色の5ミリ程の楕円形で、品種によって大きさが少し異なります。見た目はゴマに似ています。種から採れるアマニ油は食用のほか、絵具や工業用油としても使用されています。
種子用の品種は温暖地でも栽培できますが、繊維用の品種は冷涼で湿度の高い気候が栽培に適しています。
α-リノレン酸
アマニの最大の特徴はα-リノレン酸を豊富に含んでいることです。オメガ3系に分類される多価不飽和脂肪酸で、この油は現代人に不足しがちと言われています。
α-リノレン酸は体内に入るとEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)へ変換され、青魚に多く含まれている脂肪酸と同じ種類で血液をサラサラにする働きがあります。
また多価不飽和脂肪酸は大きくオメガ3系とオメガ6系に分類され、オメガ6にはゴマ油やコーン油に含まれるリノール酸などがあります。
どちらも人間にとって必要な必須脂肪酸ですが、食生活の欧米化やインスタント食品の普及によりオメガ6脂肪酸を過剰に摂りすぎていると言われています。
オメガ6系を過剰摂取するとアレルギー症状の炎症が起きやすく、逆にオメガ3系はアレルギー性疾患を緩和する働きがありますので、その効果がますます期待されているのです。
アマニリグナン
リグナンはあまり聞き慣れない栄養成分ですが、抗酸化作用をもつポリフェノールの1つです。
他の食品と比較してアマニにはリグナンが豊富に含まれています。
リグナンにはコレステロール値の抑制や内臓脂肪の減少など、肥満を改善させる効果があることが認められています。肝機能が改善したことも報告されています。
さらに、リグナンには大豆イソフラボンなどで有名な女性ホルモンに似た働きがあることから、女性ホルモンの急激な低下によって起きる更年期障害の予防や緩和、骨粗しょう症の予防にも効果が期待できます。
食物繊維
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類あり、健康維持の為には両方とも摂取することが大切です。アマニ100g中、食物繊維は24gも含まれており、水溶性9g、不溶性15gとバランスよい数値です。
食物繊維の健康効果は便秘解消が一般的です。ゴボウなどの野菜に含まれる、便のかさを増やす不溶性食物繊維のみを摂るのではなく、コンニャクなど、便を柔らかくしスムーズに排出させるための水溶性食物繊維も摂る必要があります。
また水溶性食物繊維は腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えるだけでなく、中性脂肪やコレステロール値を下げる効果があることが判っています。
特に現代の食生活において水溶性食物繊維は不足しがちですので、アマニは食物繊維の補給にとても適した食品と言えます。