α-リノレン酸の健康効果
アマニに含まれる重要な栄養成分の一つであるα-リノレン酸は、多価不飽和脂肪酸の中でもオメガ3系に分類されるオメガ3脂肪酸です。
α-リノレン酸の健康に与える効果についてみていきましょう。
α-リノレン酸の主な効果
- 動脈性疾患の予防
- アレルギー性疾患の改善
- 脳細胞の活性化
- 動脈硬化・高血圧などの予防
- 脳梗塞・心筋梗塞などの予防
- 免疫機能の改善、促進
α-リノレン酸から体内で合成されるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、動脈性疾患に効果が認められています。
一般的にオメガ3脂肪酸には、アレルギー性疾患を改善し脳細胞を活性化する一方で、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞、高血圧などの予防に効果があると言われています。さらに体内からの異物に対して体を守る免疫機能の改善および促進にも働きがあると数々の論文でも発表されています。(カナダアマニ協会発行; “Flax-A Health and Nutrition Primer”)
カナダ政府も認めたコレステロールの低減効果
カナダの政府健康省(HealthCanada)は、「アマニ粉末を食べることによって血中コレステロールの低減効果がある」として、「ヘルスクレーム」という「健康強調表示」を世界で初めて許可しました。
カナダの研究チームによると、アマニ粉末をマフィンに入れて4週間摂取すると、総コレステロールとLDL(悪玉)コレステロールが、食べていない人よりも数値が下がることが報告されています。
北米ではアマニがよく食べられており、カナダのオーガニック系スーパーでは量り売りされています。アマニ専用の棚が置かれ、多くのアマニ製品が並んでいます。2013年にカナダで販売されたアマニ製品は550種類以上もあります。
日本の研究でも認められた脂質代謝の改善効果
アマニオイルは日本でも話題になっていますが、アマニオイルにはオメガ3脂肪酸が約50%も含まれ、ゴマ油にはほとんど含まれていません。
オメガ3脂肪酸は身体に入ると一部、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に変わり、その酵素である「オメガ3エイコサノイド」は炎症や痛みの抑制に効果があるとされています。
20~40歳代の健常者男女8名に、1日10gのローストアマニ粉末を1カ月間食べてもらうというモニター試験を行いました。ローストアマニ粉末10gはαリノレン酸 約2gに相当します。
その結果、血液中のEPAとDHAの濃度が上昇しました。ローストアマニ粉末がEPA、DHAの供給源として期待できることがわかりました。
また、株式会社ニップンと筑波大学との共同研究では、α-リノレン酸にはコレステロール・中性脂肪の合成の抑制作用があり、脂質代謝の改善効果が認められました。
(S. fukumitsu.et.al., Cytotechnology ,2013)