リグナンとは何か？

アマニは少なくとも5000年以上前から古代エジプト、インドや中国で料理に使用され ていたと言われている植物です。アマニはポリフェノールの一種である「リグナン」を最も多く含んでいる食材で、特にアマニの種子に含まれるものを「アマニリグナン」と言います。

ゴマにも「ゴマリグナン」と呼ばれるリグナンが含まれていますが、その含有量は0.6％ほど。一方、アマニリグナンはアマニの粒の中に1.2％も含まれており、食材の中でもトップクラスの含有量を誇っています。

アマニリグナンとは

アマニに含まれるリグナンは1種類だけではありません。アマニは、最も多く含むSDG（セコイソラリシレジノール・ジグルコシド）と呼ばれるリグナンを筆頭に、マタイレジノール、ピノレジノール、ラリシレジノールなど複数のリグナンを含んでいます。

しかし、アマニオイルになるとSDGの含有量はガクンと落ちてしまいます。これは、SDGとアマニオイルが水と油のような関係であり、搾油する際にアマニの種子からSDGがほとんど抜け落ちてしまうためです。

リグナンの効果を期待するのであれば、種子を摂取するとよいでしょう。

エストロゲンに似たはたらきをするリグナン

アマニなどの植物に含まれているリグナンは「植物性リグナン」と呼ばれていますが、これらの植物性リグナンはヒトの体内で腸内細菌のはたらきにより「ヒトリグナン」に変換されます。

このヒトリグナンは、女性の性ホルモンである「エストロゲン」と同じような構造の物質です。これが体内のエストロゲン受容体と結びつくことによって、性ホルモンに関係する生殖器などの細胞に作用すると言われています。※1

特に女性の身体への作用が研究されており、女性の生殖年齢期にはエストロゲンのはたらきを抑える物質として乳がんなどのリスクを軽減するといわれています。また閉経後にはエストロゲンが急速に減少することから、それを補う物質としてヒトリグナンが注目されているのです。

リグナンのその他のはたらき

リグナンはポリフェノールの一種でもあるため高い抗酸化力、があり、抗炎症作用が期待できます。※2、3

さらに、アマニリグナンにはコレステロール値や血糖値を下げ、脂質代謝を改善するはたらきもあるようです。アメリカで行われたある調査では、8週間にわたりリグナンを摂取したグループで、総コレステロール・LDLコレステロール・中性脂肪・血糖値の数値が軒並み下がったという結果が得られました。※4

これらのことから、アマニリグナンを豊富に含むアマニには乳がんなどの婦人科系の疾患だけでなく、動脈硬化などの心血管疾患を予防する効果も期待できるといえます。※5

アマニは女性にとって、ホルモンバランスを整えたり生活習慣病の予防に寄与してくれるもの。これらのメリットを享受するためにも、日頃からアマニを積極的に摂取していきたいですね。※6、7